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それは、この数ヶ月のオレとくるみんの関わりなんか、この先のオレとくるみんの未来なんか、オレにも分からんかった。
ただ、胸の真ん中にあった支えみたいなものが壊れていくのを感じていた。
愕然としたオレはテーブルに両手をつき、しばらくは顔を上げられそうになかった。
「くるみんさぁ。オレのことなんやと思ってる?」
同じ姿勢のまま顔だけくるみんの方に向けると、オレはくるみんに訊いた。
「え……?」
「その気もないのに、こんな風に誕生日のお祝いしてくれたりすんのは残酷やで。オレは料理できやんけどさぁ、それでもあんだけの料理しようと思ったら時間かかるんやろうなっていうことぐらいは分かる。それをさ、わざわざオレのためにしてくれたんやって思ったら、勘違いするやんか。もしかしたらオレのことって……」
さっきまでの楽しい時間が頭の中で躍っていて、オレは情けないことに泣きそうになっていた。
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