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「そうじゃなくて。買い物に行けるんだったら、帰れるでしょ……」
俺の言葉でくるみは今の状況を改めて理解したらしい。
「そうだね……」
もう一度、静かに腰を下ろした。俺のせいで、より一層変な空気になってしまった。
「ごめん。俺が食べたいなんて言ったのが悪いんだよな」
「ううん。ごめんなさい……」
「くるみが謝ることないよ。俺のせいなんだから。今度、自分で作ってみるよ」
レシピを聞いて作ってみたところで、同じ味にはならないだろう。それでも、そう言うしかなかった。
下らないことを言うんじゃなかったと反省し、黙ったままのくるみに目をやった。
「くるみ……?どうかした?」
どうしてだか、くるみは今にも泣き出しそうな顔をしていた。
焦った俺は、くるみの隣に移動した。
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