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「おい、何がおかしいねん」
「いや。くるみは何でお前と寝たんだろうな」
「はあ?そんなもん、オレが好きやからに決まってるやろ」
「ホントにそうか?彼女はお前に好きだって言ったのか?」
椎名を試すつもりで言っただけだったが、奴は分かりやすく顔色を変えた。
「当たり前やろ!何が言いたいねん。ははーん。さては負け惜しみやな。はっきり言うたら?くるみがオレに抱かれたのが悔しいって。思いっ切りジェラってますって」
人の感情をえらく薄っぺらい言葉で表現してくれたものだと多少憤っていたが、なぜだかくるみも怒っているようで、椎名のことをギロッと睨みつけていた。
それは、何だかすごくちぐはぐな光景に思えた。
「相変わらず、オメデタイ男だな。しゃべってるとバカがうつりそうだから帰るよ」
「あっそ。帰れ帰れ。オレらも変態の相手するほど暇ちゃうねん。イチャイチャすんのに忙しいねん。もう二度と来やんでええから」
片手でがっちりとくるみの肩を抱き、もう片方の手で野良猫でも払うような仕草をした。
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