彼女の選択

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 せやから、彼女が恐る恐る近づいてきた時は、逆にどうないしようかとオレの方が怯んでしまいそうやった。  たどたどしくくるみんがオレにキスをする。  少しずつ深くなるキスがオレを静かに起動させる。  と同時に、胸が焼け爛れるような熱い妬みが込み上げてくる。 「アイツのことも、こうやって誘ったん?」 「……訊かないで、そんなこと」  オレの問いかけに彼女は気まずそうに俯いた。 「イヤや。ちょっとぐらいイジワルしやな、オレの気が済まん。隠れてアイツとヤッた罰。今日はイジメるから」  アイツの名前を出して興奮するワケじゃない。寧ろ萎えそうになる。  けど、ここで萎えたらオレの負け。  このキスマークはアイツからの宣戦布告やと思ってる。 『俺と寝たくるみを抱けるか?』って。  フンッ。抱いたるっちゅうねん。  オレはあんたを好きなくるみごと好きになったるって決めた。  こんなことぐらいで引いたりしやんから。
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