彼女の選択

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「ごめんな。こんなに乱暴にするつもりじゃなかってんけど、痛くなかった?」  冷静になって後処理をしながら、今さら確認する。 「……うん。大丈夫。わたしの方こそ……ごめんなさい」  散々責めるようなこと言いまくったクセに、真顔で謝られると困ってしまう。 「オレ……くるみんのこと信じてるから」  かなり腰は引けてたけど、一応オレのこと誘ってくれたワケやし、頑張ってくれたことは認めたい。 「……ありがとう」   伏し目がちにくるみんは力なく笑った。 「あ~暑い」  辛気臭くなりそうな空気を変えようと、どうでもええことを言うた。  暑いのは嘘じゃないし、代謝がええんか自分でも引くほど汗だくやった。
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