彼女の選択

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「風邪引いちゃいそうだね。シャワー浴びる?」 「せやなぁ。ほな、一緒に」 「え、一緒に?」 「うん。ええやん、別に。洗いっこしよや」  言いながら、座ってるくるみんを引き上げようと手を差し出した。 「ちょっと待って、何か羽織るから」  今さら隠すことないのにって思うけど、恥じらいを忘れへんのがくるみんのええとこやと思う。  もじもじしてるくるみんにオレは自分のTシャツを貸した。 「女の子が男物の服着るのって何かエロいよなぁ」 「そういう目で見るからでしょ」  気まずかった空気が少しずつ緩和されていく。  手を繋いで風呂へ向かおうとした時、インターホンが鳴った。  来客の予定でもあるんかとくるみんの方をチラッと見たけど、心当たりのない様子。  とてつもなく嫌な予感がする。
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