彼女の選択

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 言葉では上手いこと言えんけど、アイツを見るくるみんの目が何か悔しくて、胸の奥がじりじりと焦げるみたいやった。  隣におるのはオレやのに。オレのTシャツ着てんのに。オレと寝たばっかりやのに。  そんなオレを見透かしたように、ヤツはクスッと笑いやがった。 「おい、何がおかしいねん」 「いや。くるみは何でお前と寝たんだろうな」 「はあ?そんなもん、オレが好きやからに決まってるやろ」 「ホントにそうか?彼女はお前に好きだって言ったのか?」    クソ―痛いとこ突きやがって。腹立つわー。  めっちゃどつきたい。  挑発的な言葉に、オレが乗せられてまいそうになる。危ない、危ない。  ここは冷静に。落ち着いて。ヤツのペースに乗せられたらあかん。
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