彼女の選択

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「当たり前やろ!何が言いたいねん。ははーん。さては負け惜しみやな。はっきり言うたら?くるみがオレに抱かれたのが悔しいって。思いっ切りジェラってますって」   くるみんのことがまだ好きなら、オレに抱かれたことは気に食わんやろうし、単に都合のええオンナにしたろうと思ってるんなら、別に何とも思わんやろう。  この男がどんな返しをするんかと、オレは1人息を呑んだ。 「相変わらず、オメデタイ男だな。しゃべってるとバカがうつりそうだから帰るよ」  ただ、ヤツは何も言わんと帰ろうとしてる。  もしかして、何も”言わん”のじゃなくて、何も”言えん”ってこと?  都合のええオンナにしたろうと思ってたんやろか。  ほんまにそう思ってたんなら話にならん。 「あっそ。帰れ帰れ。オレらも変態の相手するほど暇ちゃうねん。イチャイチャすんのに忙しいねん。もう二度と来やんでええから」  同じ土俵に上がる気もないなら、なんぼ話し合っても無駄。
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