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胸の中が張り裂けそうに痛くなって、息を吸うのも苦しくなる。
まさか自分が、この歳になって本気で恋をするとは思ってなかった。
年齢を重ねた分だけ、切なさを知ってる分だけ、恋は重くなる。
意味がないと分かってても、彼女の首筋に吸い付いてアイツの痕を上書きした。小さい男やと思われるかもしれんけど、くるみんの体にアイツの痕があるのは嫌やった。
体じゃなくて心にオレを刻まんと何の意味もないのに。
「おやすみ、くるみん」
「うん。おやすみ、ユージ」
彼女のおでこにキスをして目を閉じたけど、全然眠れそうになかった。
もしも、アイツがヨリ戻そうって言うてきたら、くるみんはどうするかな。
やっぱりリョーさんのとこに戻りたい?
そんなこと口が裂けても訊けんけど。
ほとんど眠れんまま朝を迎えた。
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