彼女の選択

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 ホンマは海外の映画みたいに、ベッドから起き出そうとする彼女をもう一度ベッドに引き込んでイチャイチャしてやりたい。  けど、朝のくるみんにそんな余裕はまったくなさそうで、そんなことしたら普通にビンタされそう。  それにしても、女の子の朝は慌ただしい。  歯磨いて、顔洗(あろ)て、お手入れして、メイクして、髪の毛セットして、服選んで。  オレはベッドに座って暢気にそれを眺めてる。 「わーヤバい。チーク塗り過ぎちゃったぁ」  悲愴な顔でくるみんが言う。 「そうか?別に可愛いと思うけど」  気休めでも何でもなくそう思う。 「えーホントかなー?」 「ホンマやって。くるみんは何やってもカワイイ」 「や、やだ、朝から真顔でそんなこと言わないでよ」  照れて赤くなってるのも、オレに見られんように顔隠そうとしてるのも、マジで可愛いと思う。  何気ない朝の光景すら愛しくて。  幸せってこういうことなんかなって思う。  ずっとこうして眺めていたい。  朝も昼も夜も、ずっとずっと……。
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