彼女の選択

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     * 「先生?ユージ先生?」 「え、ごめん、何?」 「だからぁ、今日のレッスンで習ったとこ、もう一回教えてほしいんですけど」  夕方のレッスンを終えると途端に集中力が切れて、生徒に話しかけられてもぼんやりしてしまってた。  「うん、いいよ」 「どうしたんですか?ボーっとしちゃって。もしかして可愛いカノジョさんにフラれちゃったんですかぁ?」    冗談半分の中学生女子の指摘に、何も返せないオレがいた。  可愛いカノジョかぁ……。  雑念を振り払うように、誰もいなくなったスタジオで1人踊った。  昔はこうやって、レッスン終わった後に1人で残って自主練してたっけ。
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