彼女の選択

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「……いいけど、この時間じゃ電話かけても出るか分からないよ?折り返しがあるかも分からないし」  渋るくるみんに無理やり頼み込んで、何とか電話をかけてもらった。  不安そうにスマホを耳に当てている彼女の顔が数秒後に強張った。  どうやら、珍しく電話に出たらしい。 「あ、もしもし。急にごめんなさい。今、お電話大丈夫ですか?えっと、あの、ううん。何かあったとかじゃなくて……実はその……」  もごもごしてなかなか本題に入らんくるみんから、オレは強引にスマホを奪い取った。 「ちょっと代わって!あ、もしもしオレやけど」 『え?ああ。なんだ、お前か』  スマホ越しにアイツのがっかり感が伝わってきた。
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