彼女の選択

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 さらに顔を赤くするくるみんに、本気でチューしたろかなと思って近づいたけど、寸でのとこで我慢した。あぁぁ~!チューしたいけどぉ! 「まあ、今日はしやんとくわ。オレ、ホンマはズルとかすんの嫌いやねん。せやから、こっから先はズルはせんとく」  何て答えていいか分からん顔で頷くくるみんの髪をぐしゃっとした後、オレは大人しく帰ることにした。  次の日曜日、オレの運命が決まるかもしれんと思うと、歩きながら背筋が伸びた。  オレに勝ち目があるかどうかは分からん。  それでも、このまま尻尾を巻いて逃げ出すのだけはイヤやった。  負けるにしても、コテンパンにやられやんと意味がない。  もう二度とくるみんに手を出そうなんて気が起こらんほどに。  橙色から紫色に変わろうとしている、きれいな夕空を見上げる。  平成最後の夏を、オレはきっと忘れることはないやろう。
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