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悔しいけど、アイツが言っていたことは強ち間違いでもなかった。
『そんなもんわざわざ部屋まで持って来やんでも、ポストに入れときゃ済むことやろ。それをここまで届けるやなんて、上がり込む気満々やん。どうせ、オレがおらんかったら一発ヤッたろうとか思ってたんやろ。この前みたいに』
いやいや、間違いでもないというのは、ポストに入れておけばってところまでで、部屋に上がり込んで何かしてやろうなんて、そんなつもりはなかった。
ただ、くるみに会って自分の気持ちを伝えたかっただけなのに。
まさか、あの男と一緒にいて、あんな姿を見せつけられるとは思ってもいなかった。
俺とくるみはとっくに別れたのだから、誰と付き合おうと誰と寝ようと、俺に文句を言う権利はない。
頭では痛いほどよく分かっているのに、心は裸同然の二人の姿を拒んでいる。
忘れようと思っていたのに、再会したのが不味かったんだな。
結局、俺も椎名と同じことをしてしまった。
俺にはもう、アイツを咎めることはできない。
同じゲス野郎だ。
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