8251人が本棚に入れています
本棚に追加
「慰める?どうやって?」
「それはまあ、お好きなように」
押し売りのような色気を放ち、口元に笑みを浮かべた彼女がどんどん距離を詰めてくる。
今は恋人もいないし、誰に遠慮する必要もない。
くるみと椎名のあんな姿を見た後だし、俺だってと思わなくもない。
据え膳食わぬは……と言うし、手っ取り早く目の前の誘惑に乗るべきか。望んだってなかなかこんな展開になるものではない。
俺はグラスに残っていたウィスキーを一息に飲み干すと、席を立った。立ち上がると、思った以上に酔いが回っているのが分かった。
待っていたかのように、彼女は俺の首に両手をかけた。
「じゃあ、うち行きましょうか。すぐ近くなの」
見習いたいほど直球の誘いだった。
「俺が今、何考えてるか分かる?」
「さあ……何かしら。うちじゃなくて、ここで今すぐシタいとか?」
彼女は小首を傾げ、絡みつくような甘い声で言った。
最初のコメントを投稿しよう!