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「そうだな。君が別れた彼女なら、今すぐシタい」
つられてとんでもないことを口にしてしまった。
「え……?」
さすがに彼女も驚いたのか、首にかけていた手があからさまに緩んだ。
「いや、気持ちは嬉しいけど、俺が真面目でつまらない男だって知ってるだろ?」
「フフッ。そうでした。氷川さんには必要なかったわね」
気まずい空気にならないよう、彼女は何事もなかったかのように離れていった。
くるみと出会う前なら俺の方から彼女を誘っていたかもしれない。彼女は自立した大人の女だし、美人な上に色っぽいときてる。
俺の好みにドンピシャなはずなのに、不思議と彼女に言い寄られても何も感じなかった。
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