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こんな男を誘ってくれた彼女には申し訳ないが、お陰で自分の気持ちがより鮮明になったように思う。
珍しく酔っていて足元も覚束ないが、心の中ははっきりとしていた。
苦し紛れの言い訳でも何でもなく、あれがくるみだったら俺は何の躊躇いもなく誘いを受けていた。尤も、くるみがあんな風に俺を露骨に誘ってくれたことなど一度もないが。
だいたい、くるみは今頃あの男と……。
『オレらもイチャイチャすんのに忙しいねん』
それにしてもアイツ、ダンサーだけあってイイ体してたなぁ。
いつもはじゃらじゃらつけている指輪も今日はなかったところを見ると、ちゃんとくるみに触れる時は肌を傷つけないように外しているということか……?
最悪だ。また嫌なこと思い出した。
何とか自宅に辿り着き、風呂に入ると、思わず自分の体を眺めてしまった。
またちょっと痩せたか?寝る前に腹筋でもするかな。
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