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『えっと、あの、ううん。何かあったとかじゃなくて……実はその……』
くるみがなかなか用件を言わずにいると、何やらスマホからガサガサという音がした。
『ちょっと代わって!あ、もしもしオレやけど』
音の後、いきなりアイツの声がした。オレやけどって……分かるからいいけど、そこだけ聞いたら詐欺みたいだ。
「え?ああ。なんだ、お前か」
『くるみんからの電話やと思って期待した?ごめんな、オレで。実はさ、折り入ってあんたに話ししたいことがあんねんけど……』
この間のことを責めるのかと思いきや、椎名は意外なことを口にした。
『オレさ、あんたと一回腹割って話したいんやけど。オレたち3人のことについて。せやから、近いうちに時間つくってもらわれへん?』
「俺もお前と話がしたいと思ってたんだ。ちょうどよかったよ。次の日曜なら休みだから時間取れるけど」
『おお!マジで。ほんなら決定な。場所決まったらくるみんから連絡してもらうから。ほなさいなら』
ほなさいならって、今時言うヤツいるんだな。
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