アイツの本気と俺の本心

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「えー、まさか2人で来たん?それはズルない?」  個室の部屋には既に椎名が待っていて、俺たちを見るなり言った。  店のスタッフがいようとお構いなしか?くすくす笑ってるじゃないか。  相変わらず、椎名は椎名だ。 「たまたま外で会ったんだよ」 「ふーん。まあ、ええけど。はい、これメニュー。お姉さん、オレはアイスコーヒーで」  くるみにメニューを手渡しながら、自分はさっさと注文を済ませてしまった。  段取りがいいのか、マイペースなだけか。 「じゃあ、わたしはアイスのカフェラテを」  何を頼むか決めていたのか、くるみはメニューを見ることなく俺に渡してくれた。  ドリンクのメニューは充実しているようだったが、見る暇もなかった。  まあ、今日はカフェを楽しみに来た訳じゃないから仕方がないが。 「俺はバナナジュースで」  注文を終えた俺に、椎名は目を丸くした。
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