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「いや。お前の……椎名のせいじゃないよ。別れたのは2人の問題だし、そもそもの原因は俺だから。俺がもっとちゃんとしていれば、くるみが他の男に惹かれることはなかっただろうし。端から謝罪してもらう気はないよ」
腹を立てたことは何度もあったし、殴ってやろうかと本気で思ったこともあったが、謝罪してもらいたいと思ったことは一度もなかった。
くるみが椎名に惹かれてしまったのは、間違いなく俺のせいだから。
「さすが、氷川ちゃんらしいこと言うなぁ。オレのこと、恨んだり憎んだりしてんのかなぁって思ってたけど、オレなんか眼中にないってことや。オレのせいで壊れたんじゃなくて、あくまでも2人だけの問題やと」
「そういう意味で言ったんじゃないよ。誰かのせいにして恨んでたって状況は変わらないから。ちゃんと反省して、悪いとこは直していかなきゃ、きっといつまで経っても同じ過ちを繰り返すだけだから」
俺の言葉を聞き、椎名は待っていたかのように口角を上げた。
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