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「直せるとこ直して、同じ過ちを繰り返さんとこうとしてるのは、くるみんとヨリ戻したいと思ってるから、と受け止めていいわけ?」
切れ長の澄んだ瞳は真っ直ぐに俺を見ていた。まるで、俺の本気を確かめるかのように。
「……ああ、もちろん。今日はそれを伝えるために来たんだから」
目を逸らすことなく伝えると、椎名はニコリと白い歯を覗かせた。
「そらそうやんな。あ~これでやっとスッキリしたわ。のらりくらり交わされたらどないしようかと思っててん。けど、そういうことなら話は早い。オレと勝負してくれません?」
表情は柔らかかったが、椎名が本気なのは全身から滲み出していた。
勝負という予想外の露骨な言葉に、俺も腹を括った。
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