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「……ああ、もちろん。今日はそれを伝えるために来たんだから」
「そらそうやんな。あ~これでやっとスッキリしたわ。のらりくらり交わされたらどないしようかと思っててん。けど、そういうことなら話は早い」
ヨリを戻す気がないなら、今日ここへは来てないやろう。
分かりきってることであっても、くるみんの前でちゃんと確認しておきたい。
オレは、いよいよ今日一番伝えたかったことを口にした。
「オレと勝負してくれません?」
「勝負?一体、何の勝負だよ」
「どっちがくるみんのことを射止められるかの勝負」
ニヤリと笑うと、向こうもニヤリと笑った。
「勝負って具体的に何?まさか、じゃんけんでもする気じゃないだろうな」
「ここまできて、最後じゃんけんってオモロイかもなぁ。けど、勝敗はくるみんに決めてもらわんと意味ないでしょ」
「えっ……」
当たり前のことを言うたつもりやったけど、後生大事にグラスを持ったままのくるみんは、ギョッとした。
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