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「お。早速かぁ。オレはいいっすよ。あかんって言う権利もないし。くるみんさえよければ」
そう言ってくるみんを見ると、氷川ちゃんも確かめるようにくるみんを見た。オレらに一斉に見られて、くるみんは慌ててる。
「え……ああ、わたしは大丈夫です……」
「おいおい、しっかりせえよ。ほな、オレはこれで」
最後までくるみんはどうしようって顔したままやったな。大丈夫かいな。勝敗を決めやなあかんの分かってるんやろうか?
「別にいてくれても構わないけど」
帰ろうとして席を立ったオレに氷川ちゃんが言った。
「せっかくやけど、止めとくわ。目の前で口説かれたら邪魔してまうかもしれんし」
「……ありがとう」
「何それ。もう落としちゃうよってか」
「違うよ。今日のこと」
「礼なんか言わんでええで。オレは大事な彼女を寝盗った憎い奴やねんから。ほな!」
なんぼ図々しいオレでも、さすがに目の前で好きなオンナが口説かれるのを見たいとは思わん。見てたら茶々入れてまいそうやし、ここは自粛。
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