オレがついた最後の嘘

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 幸いにも?その日、ヨリを戻したっていう報告はなかった。  僅かでも、まだオレにもチャンスはあるらしい。  勝率が1%しかなくても最後まで頑張ろうと決めた矢先、思いがけない連絡を受けてガチで固まった。 「ええっ!?カンナってあのカンナ?やる!そんなんやるに決まってるやん!」  昔、結成したばっかりのアイドルグループのバックダンサーを一緒にやったことが縁で仲良くなったあっちゃんから、久々に電話もらった。  近況報告もそこそこに、オレにぜひ頼みたいことがあるって言うから何かと思ったら、ダンサーの1人が事故に遭って入院して大事なイベントに間に合わんから代わりに出てくれへんかって話で。  カンナちゃんの事務所の人は見知りのダンサーに頼みたかったみたいやけど、生憎イベントが重なってたこともあって適当な人がつかまらず、あっちゃんがオレを推してくれたらしい。  何年も会えてなかったのに、マジで嬉しいんやけど。
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