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「じゃあ、ユージ君。一度合わせて踊ってみてもらっていいですか」
売れっ子のアーティストはスケジュールがタイトやから、打ち合わせもサクサク進んで行く。
全員で通してみると、やっぱり微妙にタイミングがズレるとこもある。オレ以外の4人のダンサーはもうできあがってるからな。
早く馴染んで、みんなに追いつかな。
休憩挟みながら何回か通しで踊った後、何やらカンナちゃんと事務所の人が相談し始めた。
もしかして、オレの話?アイツ無理ちゃう?とか言うてる?
かと思いきや、それはあまりにも意外な内容やった。
「へ……?オレがっすか……?」
5人おるダンサーのうち、1人は何回かでカンナちゃんと絡んで踊るとこがある。
それをオレに頼みたいって話やった。
「カンナは背が高いから君ぐらい身長があった方がバランスが良いと思う。本番ではヒール履くしね。それに君、見場良いし色気もあって良い」
マジで?何年もオーデション落ち続けて、ダンススクールのインストラクターしかしてなかったオレがプロに褒めてもらえるなんて、夢ちゃうやろな?これ。
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