オレがついた最後の嘘

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 ああ、オレがやりたかったのはこういうことやなって改めて思った。  出番を終えると、ダンサーたちも会場で食事してきたらいいよって言われたので、遠慮なくお言葉に甘えることにした。  オレの場合はくるみんがおったらええなっていう気持ちの方がデカいけど。 「あ!くるみん!見てくれた?」  探す間もなく、くるみんがこっちに向かってくるのが見えたので駆け寄った。いつもと違うパーティー仕様の華やかな姿にドキッとする。 「見たよ!すごいね!めちゃくちゃカッコよかったよ!」  言葉は少ないけど、涙目で褒めてくれるのを見るとお世辞じゃないのは分かる。今まで諦めずにダンスやっててよかったって心から思えた。 「ホンマに?ありがとう。会場にくるみんおると思ったら、いつもの何倍も張り切ってもうたわ~」  感動で胸いっぱいのところに、嫌な顔が見えた。そういや、同じグループの会社におるって言うてたな。 「あれ、氷川ちゃんも見てくれたん?」 「ああ、見たよ。引くぐらい格好良かった」 「マジで?氷川ちゃんにそう言ってもらえたら嬉しいわぁ」  ま、あんたもタキシード仮面みたいでカッコええけどな。
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