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「ちょっと、ちょっと!距離近いんちゃう?何かヤラしいコトしようと思てたんやろー」
あからさまに邪魔しに行くのもガキっぽいけど。
「頭の中で思っても、実行に移さなきゃいいんだろ?」
「うわっ!変態のコメントや。くるみん、気を付けや。こういう紳士風の奴が一番危ないんやから」
くるみんの両肩を掴んで氷川ちゃんから引き離す。
「おい!何どさくさに紛れて触ってんだよ」
「これは、そんなヤラしい意味で触ったんとちゃいますやん。寧ろ、守るためやし」
「いや。顔がヤラしいよ」
「失礼な。オレは生まれつきこんな顔なんですぅ。いっつもヤラしい顔してんのはそっちでしょ」
「悪かったな、ヤラしい顔で。っていうか、いい加減、手離せよ」
オレが言うた勝負って、こういうことじゃないねんけど、氷川ちゃんが別人のように素直になってて小競り合いしてしもた。
少し前の氷川ちゃんなら、「触るな」なんて絶対に言わんかったのに。
ちゃんと本気出してるんや。
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