オレがついた最後の嘘

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 夢に手が届きそうな気がして嬉しかったけど、夢に近づくとくるみんが遠ざかっていく気がした。  やっぱり”二兎を追う者は一兎をも得ず”なんかな?  あんまりお酒は強い方じゃないけど、みんなにつられて結構飲んでしもた。  久々に酔っ払って家に帰ったら、くるみんから気になるLINEがきてた。 『話があるの。明日時間取れないかな?』  これってやっぱり……あの話やんな?  パーティーが終わってから氷川ちゃんと会ってたんやろか? 『聞かんでもだいたい分かるけど、ちょうどオレも話あるから』  そっか……とうとう答えが出たんか。  しゃあないな。くるみんが決めたことなら受け止めるしかない。  今、オレにできることはぜんぶやったと思う。  呆れるほど気持ちも伝えたし、ダンサーとして一番見せたかった姿を見せることもできた。  多分、これ以上できることなんてない。だから、悔いはない。  これでくるみんが氷川ちゃんを選ぶって言うんなら、もうどうしようもない。  何やっても敵わへんってことやと思う。
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