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それでも、明日には結果が出るんかと思うとやっぱり気が重くて。
勝負に負けたら、もうくるみんに会うことはできひん。
そうなったら、潔くアメリカに行こう。
覚悟を決めたけど、その夜は眠れんかった。
オレはいつも通り、待ち合わせの時間より早く着いた。
待ち合わせをしたのは、オレとくるみんが初めて会ったベンチのある広場。
こうして座ってみると感慨深いもんがあるなぁ。
あの夜、くるみんは手作りチョコを食べながら泣いてたっけ。
懐かしむほど昔の話でもないけど、色々と物思いに耽ってたらくるみんが時間の少し前にやって来た。
「おーい。くるみーん」
キョロキョロしてるくるみんに声をかけた。クソー。今日もカワイイなぁ。
「家におってもソワソワして落ち着かんから、アホほど早よ来てもうたわ」
駆け寄って来ると、くるみんはオレの隣に腰を下ろした。
「まだ1年も経ってへんのに、懐かしい気がすんなぁ」
「そうだね」
心なしかくるみんは緊張してるみたいやった。
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