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「次こそは氷川ちゃんと幸せになりや。もう、言いたいこと言わんと我慢してたらあかんで。思ってることはちゃんと言うんやで。もし、またケンカするようなことがあっても、今度はオレ助けられへんからな。遠い遠い海の向こうに行くから」
「え?」
急な話にくるみんの表情が険しくなった。
「実はさ、カンナちゃんの事務所の人がオレのダンスを気に入ってくれてさ。本気でやるつもりがあるなら、デビュー前にカンナちゃんを指導したアメリカの先生を紹介するって言うてくれて。費用も全部出してくれるって言うし、オレには願ってもないチャンスやからさ。もう行くって返事してん」
オレをフるのが辛そうなくるみんを見てるのが苦しくて、嘘をついた。
「わー!すごいじゃない!!おめでとう!!」
さっきまでの険しさが一気に吹き飛んで、満面の笑みに変わった。
くるみんが自分のことみたいに喜んで笑ってくれるなら、閻魔様に舌抜かれたっていいや。
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