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「せやから、もしくるみんがオレを選んでくれてたとしても付き合うことはできひんかったと思う。今まで散々好きや好きや言うたけど、結局、アメリカ行きの話聞いた瞬間、オレは迷いなく夢を選んでた。だから、くるみんもオレに遠慮せんと、氷川ちゃんと思いっ切り幸せになってくれたらいいからな」
……ホンマは「オレが幸せにする」って言いたかった。
他の男と幸せになんかなってほしくないのが、オレの醜い本音。
でも、くるみんが不幸になるのだけはイヤやから。
最後は男らしく、くるみんの罪悪感が少しでも減るようにカッコつけて強がった。
「オレの人生の中で人のオンナに手出すのなんて、後にも先にもきっとくるみんだけやわ」
「……わたしだってそうだよ。浮気なんてこれが最初で最後」
「じゃあ、ある意味ではオレが生涯でただ1人の男やねんな?」
結局オレは、最後まで”浮気相手”以上にはならんかったけど、生涯でただ1人ならそれも悪くない。
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