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「じゃあなーくるみん!」
細い背中を見送りながら、大きめの声で別れの言葉を言った。
恥ずかしいぐらい頬を涙が伝っていく。
「……うぅ……くるみ……くるみ……」
泣きながら何度も何度も名前を呼んだ。
どんどん小さくなっていく背中に手を伸ばす。
叶わん恋やって最初から分かってたはずやのに。
視界が潤んで、くるみんが揺れる。
………くるみ行かんといて。
いつもみたいに「ユージ」って笑いながら戻って来て……。
嘘だよって、リョーさんじゃなくてユージにするって……。
「くるみ……」
人目も憚らず思い切り泣いた。
くるみんの姿が消えても、しばらくその場から動けんくてベンチに座って泣き続けた。
気づいたら、歩いてる人がオレのことをじろじろ見ていた。
カッコ悪。ええ歳した男がフラれたぐらいで泣きじゃくってるなんて。
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