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一頻り泣いた後、オレは事務所の人に電話をかけた。
「あ、もしもしユージです。お疲れ様です。昨日の話なんですけど……」
オレがついた最後の嘘を真実に変えた。
アメリカに行って、有名な先生から指導を受けたところでカンナちゃんのようになれる保証はない。
夢をものにできるかどうかは自分次第。
だからこそ、チャレンジしてみたい。
オレにはもう、ダンスしかないから。
いつの日か一流のダンサーになって、くるみんにオレの活躍を知ってもらえるように。
空を見上げ、このベンチから始まったくるみんとの日々を思い出しながら、ひとつひとつ大切に記憶の引き出しにしまった。
ちょっと天然やけど、素直で純粋で、いつもニコニコしてるけど実は泣き虫で、意外と料理上手で家庭的。何より、笑いのツボが一緒でオレの下らん冗談も腹抱えて笑ってくれる。
そんなくるみんが、オレは大好きやった。可愛くて堪らんかった。
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