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「さて。ほんなら話し合いはこの辺にして。どうします?まだ時間も早いし、3人でデートでもします?」
腕時計に目を落とし、椎名がおどけて言った。
「悪いけど、少しだけくるみと話をさせてもらえないかな」
欲を言えば日を改めて二人きりで話したいところだが、生憎次にいつ会えるか確約ができないので、時間が取れる時に話しておきたいと思った。
「お。早速かぁ。オレはいいっすよ。あかんって言う権利もないし。くるみんさえよければ」
椎名がくるみを見たので、俺もつられてくるみに目をやった。
くるみは俺たちを見て、気まずそうな顔をした。
「え……ああ、わたしは大丈夫です……」
「おいおい、しっかりせえよ。ほな、オレはこれで」
頼りない返事をしたくるみ励ますと、椎名は席を立った。
「別にいてくれても構わないけど」
椎名は俺の前でも隠すことなくくるみへ想いを伝えてきた。俺だけ二人きりの時にしか言わないのはフェアじゃない気がした。
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