俺と彼女の第二章

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 ダメだ。本題に戻らなくては。  脱線しそうな脳を切り替える。 「なんか、俺と椎名で勝手に決めちゃったけど、くるみはあれでよかったのかな?前に、俺とはこれで最後にするって言ってたし、もし、もう椎名に決めてるんだったら俺に遠慮することないから」 「え……?」 「自分から別れようって言ったクセに、今さらヨリを戻したいなんてすごく自分勝手なことは分かってる。くるみにはただただ迷惑なだけかもしれない。だから、俺の想いを聞いても、違うなって思ったら断ってくれればいいから」  俺の話をくるみは不安げに聞いていた。 「次いつ会えるか分からないし、今はくるみのことも椎名のこともぜんぶ無視して、自分の気持ちだけを言う」   せっかく椎名が二人きりにしてくれたのだから、時間を無駄にする訳にはいかない。 「忘れようと思った。椎名といた方がくるみは幸せなんだって思おうとした。でも、雨の日に再会した時、くるみが椎名の彼女になるのは嫌だなって、初めて本気でそう思った。くるみを誰にも渡したくない。もう一度、俺と付き合ってほしい」  別れてから初めて、自分の想いを口にした。
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