俺と彼女の第二章

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 グループ企業の中から優秀な成績を収めた会社のトップが次々と表彰されていく。  表彰式にもあまり興味はなかったが、今年はうちも表彰してもらえると聞いているので、多少は気分が良かった。  一時は経営が悪化してどうなることかと思ったが、上半期である程度は立て直せたはずだ。  僅かでも会社に貢献できたのなら喜ばしいことだが、払った犠牲を考えると手放しに喜んでばかりもいられない。  俺は失ったものを取り戻すことができるのだろうか……?  複雑な気分のまま式典を終えると、少し休憩を挟んでから第二部である懇親会が始まった。  懇親会では毎回ゲストを呼び、華やかなショーが行われる。今年のように流行りの歌手を呼ぶこともあれば、人気のマジシャンを呼ぶこともあるし、景気が良かった頃は海外の有名なオーケストラが生演奏をしたこともあったという。  どちらかと言えば、俺はその方が嬉しいのだが。
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