俺と彼女の第二章

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 歓談の時間が始まると、ダンサーたちが会場に来るという話を聞きつけ、俺は会場の入口に向かって歩き出した。  この人混みでは、簡単に見つけることはできないだろうと覚悟していたが、意外にもすぐに見つけることができた。  入口から少し離れたところで、椎名とくるみが話しているのが見えた。  椎名が一番見せたいと思っているのはくるみなのだから当然か。 「あれ、氷川ちゃんも見てくれたん?」  くるみの後ろに立つと、椎名はすぐに俺にも声をかけた。 「ああ、見たよ。引くぐらい格好良かった」  お世辞抜きにそう思う。 「マジで?氷川ちゃんにそう言ってもらえたら嬉しいわぁ」  満面の笑みを浮かべる椎名はいつもの陽気な椎名だった。  本当にあのステージに立っていた男と同じ男なのだろうかと思ってしまう。 「さっきのダンサーさん、氷川君の知り合いだったのね。すごく素敵でしたよ。もう惚れ惚れしちゃいました」   椎名と話していると、どこからともなく彩子がやって来て興奮気味に言った。 「ああ、ありがとうございます」  二人がダンスについての話を始めると、くるみは複雑な表情を浮かべそっとその場から離れていった。
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