嘘とジェラシー

俺と彼女の出逢い

　またしても、彼女は俺からの連絡を待っていたのだろうか……。

『はい、大丈夫です』

　これをデート言っていいのかどうか分からないが、仕事以外で女性と待ち合わせをするなんて、かなり久しぶりな気がする。

　いつ以来だろう。もう振り返るのも面倒なほどだ。

　職業柄、喋ることには慣れていて得意だと思われがちだが、あれは仕事だから無理やり頑張っているだけで、どちらかと言えば俺は無口な方だと思う。相手が若い女性だと思うと、何を話したらいいのか皆目見当もつかなくなる。

　人見知りで、人付き合いも得意ではないから、友達も多くはない。

　これといった趣味もなく、休みの日も家でじっとしているのが好きなタイプの地味で退屈な人間だ。