嘘とジェラシー

俺と彼女の出逢い

　接待で使う飲食店はたくさん知っていても、デートで行く店と言われたら忽ち頭を抱えてしまう。

　待ち合わせの駅へと向かいながら、彼女が行きたい店を指定してくれることを願っていた。望みはかなり薄そうだが。

　１０分前に到着すると、彼女は既に待っていた。

　ストライプのワンピースを着ている彼女は、受付で見た制服姿よりもさらに若く見えた。

　すっぴんじゃないことは分かっているが、陶器のように肌が滑らかで綺麗だから、余計にそう見えるのかもしれない。

「ずいぶん待ったんじゃない？」と訊くと彼女は「わたしもさっき来たところです」とはにかんだ。