第二章 激動

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 ~ 「すごい!凄いでござる!!」 「うぁ~…ユウトさん…綺麗…」  メイがシンプルに驚き、リリルは光の障壁をバックに自身も光を纏い、雷を纏う豪華な装飾の槍に見惚れていた。  だが、一人納得がいかない者がいた。 「…も、もう!もう驚かないんだからね!ユウトたち見ていちいち驚くのがバカらしくなったわ!」  と、メアリが何故か怒っていたのだった。  そしてオレは地竜の頭に狙いをつけると『神槍ヴァジュランダ』を放つ。  カァァァッ!  光り輝く一本の雷と化したヴァジュランダは、寸分たがわず地竜の頭を貫いて天に帰っていく。  その光景は地上から天に落ちる雷のようで、とても不思議に見えた。  そして雷が通り過ぎていく途中にあったものはすべて塵へと変わり、地竜の上半身はもうこの世には存在していなかった。  ~  その後、メイとキントキが今までの鬱憤(うっぷん)をはらすかのように大活躍し、巻き込まれずに生き残っていたワイバーン3匹をしとめる。 「ワイバーンなんて一匹でも凄い脅威なのに…あの子たちもゴールドランク並みの強さじゃない…」  と、更にメアリを驚かすのだった。  ~ 「これで終わった…かな?」  オレは【権能:見極める者】の力で本当に終わった事を確認すると、思わずその場に座り込む。 (今回は本当に焦ったな…。聖なる力を使いこなせるようになってもっと強くならないと)  と、心の中で反省する。  もう正直力を使い果たしてしまってへとへとだった。  そして何か大事な事を忘れていることに気が付く。 「あ…パズ呼び戻してたんだった…」  さっき思わず伝えてしまった(パズ!!凄いピンチだ!1秒でも早くこっちに助けに来てくれ!!)と言う言葉を思い出し、思わず冷や汗をたらす。  そして権能の繋がりでパズの居場所を確認すると、 「…あぁ…すっっっげースピードでこっち向かってる!!…なんて言ってあやまろうか…」  と、そのパズのスピードにあらたな脅威を感じるのだった。
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