第二章 激動

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 ~  それから数分走り続けているが既に風の拘束を破った地竜がまた動き出し、オレ達は地竜との距離を稼げずにいた。 「ユウト殿!どうしたら良いでござるか!」  まったく振り切れそうにない地竜との距離にメイもどうすれば良いかと聞いてくる。 (もっと聖なる力を使う練習をしておけば…一か八かで使ってみるか)  オレは使徒であるのがバレるのが嫌で、まだ聖なる力の使い方すらマスターできていない自分が情けなかった。  そしてもう後悔しない為にも、これがひと段落ついたら絶対に聖なる力を使う練習をする事を誓う。  そして、まだ使ったことのない聖なる力を本当に使うのか心の中で葛藤していた時だった。 「キシャー!!」  と後ろで地竜が咆哮すると、周りに多数の黒い魔方陣が現れる。 「今度は何!?」 「な!?…あれは召喚魔法だ!!気を付けて!」  オレは権能で知りえた情報を皆に伝え注意を促す。 「えー!?あれ全部から敵が出てくるでござるか!?多すぎるでござるよ!?」  その数はどんどん増えていき、地竜の後ろに既に30を超える魔方陣が現れていた。 (く!?ほんとに多いな!)  この数は後々面倒になると思い、 「らぁーー!」
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