第二章 激動

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 そしてこの隙に次の祝詞をあげていく。 ≪我は『残照(ざんしょう)優斗(ユウト)』の名において力を行使する≫  足元に光の文様が現れる。  ここまではいつも通りだ。 ≪その力は『雷の牙』≫ 『世界が暗闇に照らされた時、その闇の中に輝く光となれ!』 『我、暁の女神より授かりし残照の力をもって顕現を命じる!』 ≪神具召喚:神槍ヴァジュランダ!≫  そう言葉を発した瞬間に天空から雷がオレに向かって落ちてくる。  眩い光と共に轟音が鳴り響く。  そしてその眩い光が収束していくと、オレの手には輝く槍が握られていたのだった。  雷を纏う槍の長さは2mほどで、知識(かくかくしかじか)の中の『ゴブでもわかる聖なる力の使い方』によるとあらゆるものを貫く必中の投げ槍という事だった。 (この知識……タイトルが恥ずかしすぎるな……)  ちなみに今まで使っていた聖なる力は基礎的な力なので『力持つ言葉』を発するだけで行使することができたのだが、基礎の力以外はすべてこのような少し長い祝詞が必要となる。  まぁ、ちょっと中二的で恥ずかしかったのは内緒だ…。  しかし、何とかうまく神具召喚を成功させることができたので思わず、 「よし!何とかいけたぞ!」  と、輝く雷を纏った槍を眺め、思わずガッツポーズを取るのだった。
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