第二章 激動

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 パズがいても負ける可能性があるほどだった。 「ユウト…。後頭部にパズぶら下げて真剣な顔で考え事してもただの変な奴だぞ…」  メアリからの突っ込みで我に返るが、結局そこから解放してもらえるまでに30分もかかるのだった。  ~  パズから解放された後、オレはエルフの里に向かう道中でゼクス達の情報を皆に共有していた。  何事も情報共有は大事なのである。 「えっと…、それじゃぁさっきいた魔人っていうのは歴史に何度も登場するようなとんでもない化け物だったんですね…」  とリリルが今更ながらに絶句する。  ゼクスは数百年前に魔物の軍勢により3国が滅んだ時の話や、千年前の邪竜が現れた時の記録にも残っているような伝説級の魔人だった。  そのどの話でも切り込み役のような形で登場しており、その全てで甚大な被害を人類に与えていた。  そして更に最悪な事に、その登場した歴史の全てでその後に本格的な魔物の軍勢の侵攻がはじまっていたのだ。 「じゃぁこの後、世界的に魔物の軍勢の侵攻が始まる可能性が高いということじゃない…」  とんでもない事態になるかもしれないという話に、本日驚きどうしのメアリがまた驚く。 「そうですね…。里に戻ったら族長に話して他の街、国などにも警告を発してもらおうと思っています」 「これからどうなるでござるか?ユウト殿はどうするつもりでござる?」  さすがのメイも神妙な顔つきでオレに聞いてくる。
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