ほの暗き水の底から

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ついにその時が来た。 我が身体は極細の糸の様なエレベーターに傾がれ、水上へと導かれた。 どれ程この瞬間を待ち望んだか。 眼下に生白い肌の生き物たちが見て取れる。 何体もの毛無しの猿どもが。 我輩が何者かは知れぬが、何かただならぬモノには違いあるまい。 このキャーキャーと騒ぐ者達に畏怖の念を与えてやろう。
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