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敵はモーリアンという生体兵器だった。 戦いの中で自立進化する能力を有している。 人類に生み出されたそれは人類に勝利をもたらす戦女神の名を与えられ、次世代の戦争を担う兵器となるはずだった。 しかし、それは人類の手に余る代物だった。 暴走したモーリアンは人類に牙を剥く。 しかも、あらゆるエネルギーを摂取し、増殖する特性も持っていたので、いくつものエネルギープラントを襲い、無尽蔵に数を増やした。 人類は自ら生み出した戦女神によって死に瀕していた。 ルーグはモーリアンが生み出される前まで戦場で主戦力として運用されていた兵器である。急遽、引っ張り出された旧兵器だったが、自律進化を続けるモーリアンに対抗する為に新しい機能が追加されている。 それは敵の体組織を採取すれば、優秀なサポートAIが解析し、すぐに武器や装甲を換装できるというものだった。 戦いの中で自立進化するモーリアン。その体組織を解析し、武器をアップデートするルーグ。 いたちごっこにも似た、戦いと進化の螺旋は気が遠くなるほど続いた。 しかし、いつかそれも終わりが来る。人類の敗北という形で。 モーリアンは無尽蔵に増殖を繰り返す。 禁忌とされたクローン技術を以てしてもその戦力差を埋める事が出来なかったのだ。    
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