Prussian blue

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「ひあぁああっ!!」 「くっ…」  狭いソコに、明が小さく呻く。しかし、その声は朔には届かず、強烈な衝撃を堪えるように小刻みに震え、明の腕の中で丸まっていた。 ズルリと、今度は首筋から牙が抜かれた。ぽっかり空いた2つの穴は、血で真っ赤に染まっていたものの、すぐに傷が塞がる。残った血を、美味しそうに明は啜り、真っ赤に染まった口元を歪ませた。 「朔…」 優しく柔らかな声音で名前を呼ばれ、顔を上げると、そのまま唇を塞がれた。開いた口から舌が入り、明の唾液と自分の血が流し込まれる。 「ンぅ、ん…ふ、ぅあ」 鉄の、生臭い味がする。 「はぁ…うまいか?」 最上の食物を前にした獣のように、瞳を蘭々に光らせ、明は問う。 明にとって、朔の血がこの世で一番旨い食べ物だったとしても、朔には別段美味しくもない、只の体液だ。 「…不味い」 明のせいで血に染まった口元を小さく歪ませ、朔は呟いた。 「はは、残念だな」 そう言って笑う姿を見て、明には自分の血がどんな味に感じるのだろうかと、快楽の波に飲み込まれながら、朔は思った。
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