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「……スマン、悪かった。愚痴になった」
「いえ、むしろ、ありがとう。知りたかったことも知れた」
「ん? なんだよ、それ」
「レオみたいな人と仲良くなれれば、やっていけるんじゃないかって思ってたんです」
「……ハハハ、何だよ打算的だな! いやいや、頼もしいもんだ」
レオは笑いながら、雷電の肩を叩く。どうも気に入られたらしく、その場に座ったまま雷電の座席に弁当を広げだした。
彼のようなに顔の利く生徒に取り入ることが出来れば、薬物の取引という事をやっている人物の情報も、自ずと手に入ることだろう。そういう目論見があった。
超能力を抑制するための血清、これにはもう一つ、重要な要素を含んでいる。血清の為に血液を抜き取った本人でない人間に投与することで、本人と同様の超能力を身に着けることが出来る、ということだ。
これにより、血清は裏で取引されるようになり、その入手の容易さから、若者が気軽に使用できる一種のドラッグのような扱いを受けていた。
これの動きを捕らえることが、今回の雷電の仕事であり、そのために、彼はここに居た。
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