聖か邪か…

14/18
1092人が本棚に入れています
本棚に追加
/344ページ
「大和より御屋形様の援軍として参りました!松永勢五千!」 「御屋形様からは陶様が参られると聞いておる!陶様が到着するまで門外に待機願いたい!」 「拙者!松永家嫡子松永久通である!一刻も早く御屋形様にお力添えしたく!」 「わしは鈴木孫一!この門の守備を御屋形様直々に任されておる!わしの指示に従えぬなら帰参なさるがよい!」 最初のなんだか蔑むような視線が気に入らなかった孫一は、久通の事を今一信用ならずその言をはね除ける! 「話しにならぬわ!鈴木孫一殿と申したの?おぬしは何処の者じゃ?」 「話も糞もあるもんかっ!わしは雑賀党頭目じゃ!なんぞ文句があるか?」 「雑賀党じゃと!?傭兵風情が…生意気なっ!」 「どうしても通りたかったら押して参るがいい!雑賀党!舐めたらいかんぜっ!」 「なっ!「待てっ!」」 「父上…」 バコッ! 松永久秀の拳が息子久通の左頬にめり込む! 「ぐわっ!」 「孫一殿、我が倅が失礼した!」 頭を下げる久秀 「あんたが松永の…」 松永久秀の名は近畿では有名だ… 東大寺の焼き討ち… 将軍暗殺… 悪名高い松永久秀 「雑賀の衆が守る門を抜ける程我が勢は優れておらんでの!少し引いて待機させていただく!」 「分かってくれたらそれでいい…」 雑賀党… 本願寺を攻めようとする織田家を退けられたは、一向衆の力より、雑賀党の力が大きい! また一向衆に鉄砲を手解きしたのも雑賀党 それを知る久秀は引く事を決めたのだ! 両者とも、言えるのは「反骨心」の強い者同士だと言う事! 強者の威には決して降らぬ雑賀党 強者をも手玉に取り下克上の精神は決して折れぬ松永久秀 形は違えど、屈さぬ精神…「反骨心」の強さは半端ではない!
/344ページ

最初のコメントを投稿しよう!