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わずか一日で、長浜城、佐和山城を磨り潰した伊勢盛時は、南近江を攻略した島左近と連絡を取り合い大津にて合流、その軍勢を倍に京へと進軍中であった!
織田の主なる武将は粗方が降伏した。
明智方の斎藤利三の軍勢の追い討ちに躍起になり、その立場を追い討ちされる側になってしまった南近江の者たちは逆に向こうから恭順の意を示した程である!
意外にも、最後まで屈せず…今だ逃亡中なのは、織田信雄である。
信雄は取り巻き十数名と現在岐阜に向けて逃走中だ…
岐阜に向かえばなんとかなると安易な発想か…
かくして、文野家の家臣どもは続々と京へ向かうのであった!
「あれが…賊の軍勢なんやろか?」
きちんと整列され、姿勢正しく進む軍勢
「立派じゃ!ありゃあわしら民を守る軍勢じゃ!」
まるで絵巻物に出てくるようなきらびやかに映る文野軍に興奮し歓声をあげ出す民
(御屋形様の指図通りに着飾って正解じゃったようじゃの…)
(みるみる民心を掴んでいくのが分かるわ…御屋形は凄い)
ともに馬を並べてゆっくりと街道を進む伊勢盛時と島左近…
二人は同じような事を思いながら進むのであった!
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