春の嵐と心霊現象

榊とは神の木と書く樹

　仕事を終えて帰宅すれば、倦怠感に加えて吐き気。体調に気をつけているつもりだったが、寒暖差の激しい季節は体へのダメージが大きいらしい。櫻井不在により、食事の質が下がったせいもあるかも知れない。だが、櫻井が来る前にも同程度の食事をしていた。それでも、体調は崩さなかったのだから、それだけが原因では無いだろう。

　なんにせよ、体を温めて早めに寝る。仕舞おうと思って干した毛布をベッドに戻し、くるまって寝る。しかし、いざ眠ろうと電気を消したら寒気が酷い。もしや熱が出たかと検温するが、高熱は出していなかった。

　春に暖房をつけるのも気が引けるが、寒気がするからには仕方ない。乾燥防止にもマスクをし、ベッドのヘッドボードに飲み物を用意。横になり布団を掛けてからリモコンで暖房を入れた。エアコンから唸るような音がし、それは段々と大きくなった。しかし、その割に部屋は暖まらず、煩くて眠れなくなっただけだった。

　仕方が無いので暖房を切り、ベッドが温まるのを待った。相変わらず寒気はしていたが、それでもベッドは温かくなった。次第にどろりとした眠気が体を襲い、落ちる様に眠りについた。